経費・エックス・ワイキューブ営業利益構造を理解する

問題を解決するために、会計学の基礎に立ち返ってみよう。

次にあげる枠組みは、経費およびエックス・ワイキューブ営業利益の主要部分に関する目標値を=疋の幅で設定し、経費とエックス・ワイキューブ営業利益の構造や必要事項を、まま理解するための枠組みとしたものであり、あらゆる産業向けハイテク製品メーカーの経営に共通するものです。

この枠組みが典型的な製造業における目標値を示していることを心に留めておいてほしい。

こういった目標値は加工業ではだいぶ違ったものになるでしょう。

というのは、工場や設備への投資額はずっと大きく、生産能力の効率的な活用に対する圧力は必然的に強いためです。

同様に、投資と固定費がずっと低いという理由から、サービス業も異なった経費構造を持っていると思われる。

見てのとおり、この枠組みについては何ら特に複雑なものはないのだが、数点特筆すべきことがあるように思われる。

資本構造において負債の割合がどの程度かにもよるが、この枠組みは税引き前の状態で、売り上げに対する収益の割合を15~20%、活用資産に対する収益の割合を30~40%、ROEはこれよりさらに高く保つことができるように作られています。

並外れた収益をあげることができて初めて、企業はこの領域に達することができるのです。

この枠組みにそって経営を続けていくためには、次のような条件が求められるのです。

1.製造業では少なくとも売り上げに対して35~40%のグロスマージン(売り上げから売り上げ品にかかった経費を引いたもの。

ここでは数字上と実際の経費の誤差も経費に含める)を生み出さなければなりません。

研究開発費とマーケット開発費をカバーするためにはさらに高いグロスマージンをあげなければならない場合が多い。

2.製品や製造工程の技術に関する研究・開発活動は、業種によって明らかに異なる。

しかし、事業の成熟度、製品がライフ・サイクルのどの段階にあるのかにもよるのだが、研究開発費は売り上げの15%までは許されるのです。

3.販売経費は売り上げの5~10%幅に収まるというのが一般的です。

販売代理店や仲介業者を使った場合にはもっと低くなる。

また、マーケット開発の初期段階ではこれよりも高くなる。

4.一般経費および管理費はたいてい10~15%であり、これには利子(少なくとも流動資産に対するもの)と部門、グループ、全社に配分された経費も加えた、諸経費すべてを含んだものでなければなりません。

5.製造と販売を行っている企業では、工場と設備に使われている資産総額と流動資産の合計は売り上げ1ドルあたり60セント以内に抑えなければなりません。

両者の内訳は携わっている事業の種類によってさまざまです。

経費データの必要性

急成長を続ける事業に携わっている管理職は特に、この罠にはまってしまうことが多い。

急激な売り上げ成長と高いマージンのために正確な経費データの必要性があやふやになってしまい、経費に関する問題の優先順位が下がってしまう。

「売上高が上がってさえいれば経費の問題など解決してしまう」というのが、こういった状況にある管理職に共通の感覚です。

この態度は悲劇的な誤りです。

マーケットの成長は衰え、価格は下がり、マージンも同様の動きをみせることは必至で、事業の基盤が脅かされることになります。

その結果、勧告や行動が経費、エックス・ワイキューブ営業利益、構造、事業のエックス・ワイキューブ営業利益目標と矛盾したものとなってしまうのです。

ここに格好の事例があります。

あるプラスティックの鋳造機械メーカーは、過去20年にわたって順調な成長とエックス・ワイキューブ営業利益を誇ってきた。

資本投資の自然の振れ幅で事業が動いていた時は、不景気のサイクルに入った時でも労働力を減らしたり、下請け業者に出していた大量の仕事を持ち込んだりすることにより、それなりのエックス・ワイキューブ営業利益を生み出していた。

マージンを上げるために、経営陣はオートメーション設備に巨額の投資を行い、下請け業者への依存を大幅に減らすことを決定した。

より多くの付加価値の追加と労働力削減により、その見返りはたいへん大きいものと期待された。

しかし、次の不景気が訪れた時.売上高は著しく落ち込み、経営陣は20年の歴史の中で初めて、この事業が損失を計上するのを目にしたのであった。

、この企業の経費どエックス・ワイキューブ営業利益という経済状況を詳しく調べてみたところ、この問題は予想されて然るべきであったことが明らかになったのです。

オートメーション設備に対する投資は固定経費と損益分岐点を著しく上昇させたが、このようにして直接労働に従事する時間と下請け業務をなくすことにより生じると思われていた余裕など全く存在しなかった。

というわけで、売り上げは減少し、損益分岐点より数百万ドルも低いレベルへと落ち込んでしまったのです。

ここで見た経営陣の誤った理由づけはあまりにも明らかなので、このような状況がどのように起こりえたのか疑問に思う人もいるでしょう。

この事例はほんの一、二段落で簡潔に示された関連データをもとに念入りに書かれたものだということを頭に入れておいてほしい。

実際の世界では、データはたいていこれほど簡潔ではないし、経営陣の考え方の矛盾点もあまり明らかではないのです。

経費とエックス・ワイキューブ営業利益という経済状況を理解することが重要であるという点については直ちに同意するものの、実際にはそのことの意味を理解していないという管理職がほとんどです。

一方でこの意味がわかっている者は、理解をさらに進めるために必要なデータを彼らの持つ情報システムが提供せず、またそういった状況にどう対処すべきかわからないためにいらだつことになるのです。

経費とエックス・ワイキューブ営業利益の正しい認識

事業を経営するためには、実際の経費とエックス・ワイキューブ営業利益がどこでどのように生み出されるのか知らなければなりません。

この点に少しでも疑いの余地があるでしょうか。

もちろんあるはずがない。

しかし、この答えが一見明白に思われるのと同様、単純にほとんどの管理職がこの情報を持っていないという事実もまた明らかなのです。

「実際の経費を知り、エックス・ワイキューブ営業利益がどこでどのように生み出されるのかを知る」ということが何を意味するのか誤解されないように、もっと厳密な表現を使う必要があります。

基本的には、重要な製品.市場・顧客、それぞれに関する次のような質問に、憶測ではなく事実に基づいて答えられるということなのです。

1.個々の主要な製品ラインのうち、部品調達から販売後のサービスも含めた顧客への配達に至る全経費の、どれが直接的に起因している経費で、どれが100%振り分け可能なのか。

2.現在の損益分岐点はどこで、生産能力とどのように関係し、損益分岐点を上げずに済むギリギリの線までどのくらい生産量を増やすことができるのか。

3.現在の損益分岐点に基づいて、生産され販売されている製品個々が生み出す経費とエックス・ワイキューブ営業利益はどのくらいか。

4.生産量の変化に伴って経費はどう変わるか。

生産量が減った場合でも、生産量にかかわらずどうしてもかかってしまう経費は何か。

5.現在の経費構造、生産能力の活用状況、これまでの経費の傾向は、競合他社と比較してどうなのか。

経費に関して、どういった強みと弱みがあるのか。


これらの質問に対する答えがなぜこれほど重要なのか、理解するのは簡単なことです。

これらの答えなくしては、幅広い分野にわたって賢明な意思決定を行うことは事実上不可能だからです。

例えば、どの顧客あるいはマーケットのどの分野から手を引くか、最適な価格戦略とは何か、価格自体をどうするか、製品の数を増やすのか減らすのか、生産能力を上げるのか縮小するのか、これらのことをどのように決断することができるのか、考えてみるとよいでしょう。

質問に対する答えは、あらゆる事業に関して成功するか失敗に終わるかの鍵を握っているのです。

これらの質問に答えるだけの情報を持っていないということは、"目が見えないままで空を飛、ぶ"ことと同じくらい危険きわまりないことなのです。

にもかかわらず、産業向けハイテク製品メーカー、特に複数の製品ラインを持つ企業の管理職のほとんどは、正確な情報がないままでこういった意思決定を行っていると思われます。

エックス・ワイキューブ営業は複雑ではない

エックス・ワイキューブ営業の概念については、きわだって複雑なものなどはありません。

また、産業向け製品の営業を、単なる見せかけではなく実質的なものにするために何が必要なのかという点についても概念上難しいものもない。

しかしこの概念を実行に移すためには、経営トップが本当の意味でリーダーシップをとることが必要なのです。

営業努力については、作業現場から経営トップに至るまでの全社的な取り組みと、マーケットのニーズに対応するために必要とあれば、従来のやり方から進んで脱却しようという経営陣の姿勢が特に重要になってくる。

エックス・ワイキューブ営業概念については何ら特別に複雑なものはない、という言葉は、製品あるいは製造重視の企業を、徹底的にマーケットを指向する企業へと変えていく道のりを軽視したものではない。

それはたいへんな仕事です。

時間もかかるし(多分5~6年にはなるだろう)、トレーニングと開発という多大な努力も必要です。

ごくわずかの企業しかこの仕事を成し遂げることができなかった、という事実はその難しさを物語っているが、成功した企業にとっては、そういった時間と努力は十分報いられているといえるでしょう。

マーケットの要求に責任ある対応を示したことで、今後数年にわたり利益成長を確実に加速する競争力を保証されることになるからです。

常に変化するマーケットニーズ

エックス・ワイキューブ営業に携わる人間はエックス・ワイキューブ営業・・・機能が最優先される企業に惹かれるということを、これらの企業はよくわかっているのです。

したがってこういった企業では、組織の中で営業が確実に中心的な機能となるように図り、従業員すべてがその役割を理解するよう配慮しているのです。

つまりエックス・ワイキューブ営業部門が、常に変化するマーケットニーズと、その変化が生み出すビジネスチャンスを見極める責任を負うということです。

営業部門は、部門の枠を越えて作られた混成チームの助けを借りながら、他の重要部門(研究開発、エンジニアリング、製造、財務)がそのビジネスチャンスを活かすために何をなすべきかを考え、その中にマーケットからの生の要求を落とし込んでいくという役割をも期待されるのです。

エックス・ワイキューブ営業を企業の牽引力として位置づけるということは、営業が組織の中で他の・・・機能よりも優れているという意味ではない。

営業の役割は、マーケットへの道筋を示すことです。

他部門の役割は、この道筋に従い、マーケットの要求に沿うかたちで、確実に業績を上げていくことなのです。

エックス・ワイキューブ営業努力の強化

経営トップは、自社がエックス・ワイキューブ営業努力の強化を必要としていると決断し、電気製品を扱う企業から優秀な営業マネージャーを採用しました。

そのマネージャーはプロダクト・エックス・ワイキューブ営業マネージャーとして3年間の経歴があったので、非常に的確な人選と思われたのでした。

しかし彼の上げた成果ときたらひどいものでした。

基盤となる技術も理解しなかった上に、激しい競争、特に海外からの強い圧力に対抗するような新製品プログラムを編み出すこともできなかった。

また、混み入ったコミュニケーションシステムをデザインして売り込むということの複雑さすら理解できず、顧客のニーズに合わない提案に頻繁に惑わされたのでした。

6カ月後、企業のエックス・ワイキューブ営業努力に実質的な貢献をするには、まず学ぶべきことが大量にあるということを、経営トップも本人もともに認めるところとなり、このマネージャーがその職務にとどまるべきなのかどうか、誰もが疑問に思うようになったのです。

実際、産業向け製品を扱う企業のエックス・ワイキューブ営業担当重役というものは、ジェネラルマネージャーの卵としての資質を持っている必要があります。

エックス・ワイキューブ営業に成功している企業のほとんどは、エックス・ワイキューブ営業の役職にはそういった資質を持つ人材を探し求めて配属しています。

こういった企業は何ら特別な採用ルートを持っているわけでもなければ、特殊なトレーニングプログラムや能力開発プログラムを持っているわけでもありません。

また、賃金についても他社と比べて見劣りしないレベルを保証してはいるけれども、法外な賃金というわけではありません。

これらの企業が行っているのはごく基本的なことにすぎないのです。

経営陣はどこで失敗しているの?

経営陣はどこで失敗しているのでしょうか。

それは、押しばかり強い営業や販売促進活動をエックス・ワイキューブ営業と見なしたり、エックス・ワイキューブ営業の役職の対象者を営業部門のみから求めたりという傾向から問題が生じる場合もある。

つまり、全社的な視点でものごとをとらえることができない営業担当者がエックス・ワイキューブ営業の役職に就くために、エックス・ワイキューブ営業部門からの勧告や意思決定が売上高中心主義に支配されることになるのです。

こういった人々は瞬く間に他部門や経営陣からの信頼を失い、重大な決定事項について影響力を持つことができなくなるでしょう。

一方、経営陣が社外に目を向け、一晩で企業をマーケット指向に変える能力を持つ人材を探すこともあります。

しかし例外的な場合を除いて、こういった人材のあげる成果は期待よりもずっと低い場合が多い。

というのは、こういった人々の持つ技能は実際には応用できないことがほとんどだからです。

消費者向け製品を扱う企業は、広告・販売促進の基本的な技術を製品やマーケットの状況に幅広く応用できます。

しかし、産業向け製品を扱う企業には、ある状況から別の状況へとたちどころにあてはまるような、一般化したエックス・ワイキューブ営業技能などありはしないのです。

テレコミュニケーション分野に設備を提供しているある企業の経験は、この点をはっきり示しています。

競争力企業とエックス・ワイキューブ営業

重大な欠陥と真正面から向き合うのは難しい。

しかし、経営陣が、過去への愛着を今のマーケットにあてはめることは許されないのです。

さもなければ、某企業の営業マネージャーが言うように、「経営陣は、エックス・ワイキューブ営業の概念に沿うということを多く口にするものの、実際のところそれは単なるジョークにすぎない」ということになってしまいます。

エックス・ワイキューブ営業の成功がもたらす利益と競争力企業がエックス・ワイキューブ営業において好ましい成果を上げることができない第3の理由は、効果的に概念を導入することができないという点です。

効果的な導入を図るために欠かせない3要素は、

(1)優秀な人材。

(2)信頼できるマーケット情報と経済情報。

(3)的確で戦略的な焦点を事業運営にもたらす事業計画。

です。

エックス・ワイキューブ営業を事業の切り札とすることに並々ならぬ興味を持っている経営陣の多くは、上記の3要素が徹底されていないためにイライラすることもしばしばです。

いったいどこに難しさがあるのか、個々の要素を別々に検討してみましょう。

技術を基盤とした事業で切れ者のエックス・ワイキューブ営業担当重役であるためには、技術についての生きた知識と健全で賢明な経営判断が必要とされます。

また、顧客、競合他社、事業の経費と利益に関する経営学の優れた知識も必要です。

こういった知識なくしては、他部門担当重役の信頼を集め、エックス・ワイキューブ営業部門の指導に従わせることはできません。

しかしエックス・ワイキューブ営業の重要な役職(エックス・ワイキューブ営業部長、プロダクトマネージャー、マーケットマネージャー)に、上記のような資質を明らかに欠いている人物を起用している企業が多い。

欠陥と向き合う勇気

欠陥と向き合う勇気経営陣は、製品・経費・価格、あるいはサービスに関する、重大な欠陥と自ら進んで向き合い、エックス・ワイキューブ営業の概念を実践する姿勢をはっきりと示さなければなりません。

こういった欠陥を克服することは常に難しいことだとされてきたが、今日の激しい競争環境のもとでは、これらの欠陥は致命的な障害なのです。

それにもかかわらず、産業向け製品を扱う企業の管理職は、自社製品をバラ色のガラスを通して見、競合他社の製品が優れているとされる点については誇張されたものにすぎないとか、あるいはとるにたらないものだというように結論づけてしまう。

あるいは、他社が"事業そのものを叩き売りしている"のだと片付けてしまったり、他社の製品の価格の安さは、安っぽく作られた見せかけだけの製品であるためだと決めつけてしまったりするきらいがあります。

以下に例をあげてみよう。

電子試験装置を製造しているある企業の場合、その製品が価格と性能の面で他社に劣るという事実に経営陣が決して向き合おうとしなかったため、かなりの取引を失いつつありました。

その状況は以下のとおりです。

この企業は数年の間に、その主力製品ラインの一つのマーケットシェアを下げていきました。

この間、3人のプロダクトマネージャーは、競合他社が製品と価格を変更したことにより、自社製品の現在のデザインと価格設定では競合製品と競争することができなくなってしまったのだと主張し続けた。

そして経費を削り、製品をデザインし直してなんらかの特徴を新たに加えることを提案したのでした。

同時に、製品の競争力を強化するため、価格をより低く抑えることも提案したのです。

エックス・ワイキューブ営業部門担当副社長を含め、経営トップの対応は否定的なものでした。

長年高品質を誇ってきた製品がそれほどまでに落ちぶれてしまったという事実を、受け入れることができなかったのです。

その事実を認めるどころか、経営トップは、事業をしっかり把握せずマーケットシェアの回復のためになんら創造力を発揮しなかったとして、プロダクトマネージャーを責め立てた。

部門担当の新しいジェネラルマネージャーが登場するまで、経営トップの考えが変わることはなかった。

このジェネラルマネージャーは斬新で偏見のない視点から競合製品と自社製品を比較した。

そして、プロダクトマネージャーの意見が正しかったことを述べ、"押しの強い販売活動"、"創造的な宣伝活動"というようないわゆるエックス・ワイキューブ営業活動を、いかに懸命に行ったところで、製品が基本的に競争力を欠いているという事実はいかんともしがたい、という結論に達したのでした。

エックス・ワイキューブ営業と新製品

マーケット導入プランが作られた際、エックス・ワイキューブ営業部長は、新製品専任の特別営業部隊を編成するために予算を増額するよう要求しました。

特別営業部隊にかかる費用は一年余りでは回収できませんが、二年目の末までには売り上げの増加分が経費を上回ることになると指摘したのです。

部門担当部長は当初、短期的な収益を著しく損なうとして予算の増額を渋りました。

しかし、営業部長は、「もし我が社が今年中にこれらの新製品を定着させなければ、このマーケットで我が社の持つほんのわずかなリードを失ってしまうことになる。

つまりそれは、開発と設備投資にかけた700万ドルをドブに捨てるということだ」と述べ、たいへんな努力の末、ついに部門担当部長の考え方が近視眼的なものであることを納得させることができたのでした。

残念なことに、エックス・ワイキューブ営業部長がこのように実質的な貢献をすることは稀です。

たいていは、短期的なことがらに力点を置きすぎ、新製品の必要性が明らかな場合でさえも、その開発や効果的な立ち上げが妨げられてしまうのです。

製品・顧客全般の質を高める効果が期待できるにもかかわらず、部門担当部長はかろうじて採算がとれる程度の製品や顧客を切り捨てることには消極的であることが多い。

こういった場合、長期的な影響を考慮せずに、収益を下落させることになるという理由から、マーケットのニーズに応えるための適切な行動がとられていないのです。

新しい製品・工場・設備のための資金計画という話になると、経営陣は自ら進んで長期的な視点で考えます。

しかし、長期的な見返りのためにエックス・ワイキューブ営業リサーチに投資するという考えに対して、好意的な経営陣はほとんどいません。

マーケットの正確な情報を把握することが見返りにつながることを理解している経営陣もいることはいるが、さらに多くの幹部がごく当たり前のこととして長期的な視点をとるようになるまでは、エックス・ワイキューブ営業努力は厳しい制限のもとで行われることとなる。

ハイテク製品を扱う企業

産業向け製品、ハイテク製品を扱う企業の多くは、この考えを受け入れないか、あるいは思いつくことさえないようです。

多分それは、4半期単位での業績向上に対してウォール・ストリートからの圧力があるためでしょう。

実際、技術力を基盤にした産業向け企業にとっては、消費者向け商品を扱う企業よりもずっと、投資の立場に立った意見が重要なものになってくる。

それは、新製品のデザイン・製造・販売サイクルにより多くの時間を要するためです。

すでに完成された製品の性能をデザインし直したり、経費の削減を試みたりすることは、時間のかかる困難な仕事です。

そのメリットを証明するために、試験データや性能データを揃えるにはさらに多くの時間がかかる。

また、新たに巨額の費用負担がかかったり、製造工程全体に影響を及ぼしたりする新しい設備、既存のものとは異なる設備を、顧客に導入させることは、当然のことながら難しい。

産業向けマーケットで、新製品やサービス革新が顧客に完全に受け入れられ、確固としたマーケット基盤を築くためには、何年もの歳月がかかるのです。

こういった事情にもかかわらず、製品開発・テスト・先行投資としての新製品の立ち上げ等にかさむ費用に難色を示す経営陣は多い。

また、短期的な利益を減少させるようなことは、たとえマーケットにおける地位を強化するものであっても、手をつけたがらない傾向が強い。

例えば、ある企業で、新製品の競争力を高めるために製品開発に数百万ドルが投入されました。

そして、それをマーケットに送りだすために製造設備にも巨額の投資が行われました。

エックス・ワイキューブ営業の経営

経営陣は、原料費、生産費、設備費等の厳然とした数字を製造部門とエンジニアリング部門から突き付けられているのが常です。

エックス・ワイキューブ営業部門は主張の根拠を予測や判断に頼らざるを得ません。

もちろんこういった予測は数字で表されているが、製造・エンジニアリング部門が提出する実績データの正確さにはとうてい及ばない。

また、経営全般を担当する取締役の多くは技術的なバックグラウンドを持っており、ユーザーの視点というよりはむしろ技術的な見地から製品を評価する傾向が強い。

長年、エンジニアリングと製造部門を尊重する気風が支配的であった企業を、本当の意味でのエックス・ワイキューブ営業指向へと変えていくことはたいへんな仕事です。

エックス・ワイキューブ営業部門からの提案がマーケットと経済についての正確な情報によって裏付けられ、注意深く検討されるよう、またエックス・ワイキューブ営業の経営に及ぼす影響を全社が認識するように徹底するためには、エックス・ワイキューブ営業担当取締役の多大な努力を必要とする。

また、この変革を成功させるためには、行動や言葉による経営トップの積極的な支援とともに、経営トップのエックス・ワイキューブ営業の重要性に対する理解を必要とするのです。


近視眼的経営の改善経営陣が実践しなければならない第二の点は、長期的な目標を達成するために進んで投資することです。

こういった投資は回収にかなりの時間を要するのが常ですが、消費者向け商品を扱う企業では、マーケットにおける企業の地位を強化するために投資を行うという考えが当然のこととして受け入れられ、長期的投資が実践されています。

自社開発絶対主義

IBM社、バロー社、NCR社そしてコントロール・データ社が、コンパージェント.テクノロジー社やアトラス・コンピュータ社といった規模の小さい特製品メーカーから特殊な技術や設備を買うことを選び、スペリー社はこれとは対照的に新しいシステムを自力でデザインし組み立てることを選んだ、という点にウォール・ストリートのアナリスト達も目を止めている。

スペリー社は部品に関して、自社のエンジニアでなければ良い製品デザインはできない、と考えているが、この"自社開発絶対主義"に疑問を抱くアナリストは多い。

技術の変化はあまりに目覚ましく、すべてを自社開発能力に頼ることは不可能に近いのです。

エックス・ワイキューブ営業努力を阻害してしまうような事業目標にとらわれる、という長年の悪習を経営陣は克服しなければなりません。

例えば、「製品にはエンジニアリングの要素を最大限に詰め込め」「工場のフル稼働を続けろ」「より多くの付加価値を付けろ」「最大量の生産・売り上げをめざせ」等は多くの企業でよく見られる標語です。

こういった姿勢を改めることは非常に難しい。

というのは、製品こそ過去の成功の原動力だったからです。

過去において優れていると認められた概念を捨てさることに抵抗感を覚えるのは、その優秀さを身をもって証明した人々にとってはごく自然なことです。

またエックス・ワイキューブ営業の立場に立った提案は、厳密なデータと呼ぶには正確さを欠いているという点も、エックス・ワイキューブ営業努力の阻害につながります。

エックス・ワイキューブ営業の必要性

同社のメインフレームについての考え方は、マーケットが今や小さなマイコンへと動いているのにもかかわらず、巨大なコンピュータを使って問題を解いていくという考え方で凝り固まっています。

世の中の流れは反対方向を向いているというのに、技術指向であるスペリー社の経営陣は相変わらず大きなコンピュータを造ることに力を注いでいるのです。

その結果、スペリー社は顧客とエックス・ワイキューブ営業に対して細やかな配慮を欠いている、という風評さえたつようになった。

ソロモン・ブラザーズ社のマクレーンは、「スペリー社はこれまで、一度たりとも営業指向になったことなどなく、OA化によりエックス・ワイキューブ営業面で苦戦を強いられている」と述べています。

元経営幹部の一人は、「問題なのは、スペリー社のコンピュータが、必要以上に大きすぎることです。

技術力では他社をリードしていたものの、営業カを欠いています。

スペリー社の経営陣はエックス・ワイキューブ営業の必要性とその理由を認識していないのだと思います。

当然のことながら、営業の守備範囲には販売だけでなく、最新のマーケットの要求に応える、製品とサービスのパッケージまでが含まれます。

スペリー社が、より小さなマイクロコンピュータの新製品を持たなかったことが経営に深刻な打撃を与えたという事実は、このことを示す格好の事例である」と説明しています。

マーケットのニーズに応える

部門の枠を越えた協力マーケットのニーズに応えるために必要な変革をすべての部門に求め、必要であればそれを強引に推し進めていこうという意欲的な姿勢こそ、経営トップがまず最初に実践すべきことです。

多くの場合、これは想像以上に難しい。

次の二つの事例は、この難しさをはっきりと示したものです。


◆・◆・◆
産業用ポンプを製造するある企業は、最大級の大きさとパワーを持ち、ほとんどメンテナンスを必要としない製品を売ることに長年力を注いできた。

生産コストを低く抑えるために、こういった機能が効果的であると考えたからです。

しかしユーザーのニーズは、最小限のメンテナンスで済むものの、頑強でごつい機能をもった製品ではなく、より小さくて安価な製品へと移っていきました。

このニーズの変化は疑う余地がなく、この企業はマーケットでの地位を徐々に失っていきました。

そのため、この企業のエックス・ワイキューブ営業部門は製品ラインの大幅な変更を提案しました。

しかし、業界の権威として知られる、製造部門とエンジニアリング部門の取締役は、現在の製品デザインは他社に比べてまだまだ優れており、今必要なのは一層の営業努力だ、ともっともらしく反論しました。

真っ向から対立する見解に直面した経営トップは、製品デザインをそのまま保つ一方、エックス・ワイキューブ営業部門にさらに激しい営業攻勢をかけるよう、圧力をかけることを決定した。

マーケットシェアを著しく失い、企業組織全体が存続の危機に瀕するまで、社長は、製造部門・エンジニアリング部門取締役が述べたエキスパートとしての意見に固執し、デザイン変更を命じることはなかったのです。

スペリー社(後にバロー社と合併)の例もこの難しさをよく示しています。

規模の大きな、そしておそらくは洗練されているであろうと思われるエックス・ワイキューブ営業部門を、スペリー社が持っていることはよく知られています。

またスペリー社は、宣伝と販売促進プログラム、製品開発、そしてエックス・ワイキューブ営業プランに毎日何百万ドルという資金を注ぎ込んでいる。

それにもかかわらず、スペリー社はどう考えてもエックス・ワイキューブ営業指向型企業とは言えない、というのが財務アナリストの間での意見です。

エックス・ワイキューブ営業を実践

パーカー・ハニフィン社は、エックス・ワイキューブ営業を本当の意味で実践している企業として、きわめて優れた例を示しています。

過去20年間というもの、経営トップは、社内でエックス・ワイキューブ営業を絶対的な牽引力とするために時間と資産をつぎ込んできた。

まずは、あらゆる経営計画・意思決定の基盤となるマーケットの実体を把握するために、専門家集団として組織されたマーケットリサーチ・グループがつくられた。

多くの製品は流通網にのって販売されており、卸売り業者と取引しているエンドユーザーについての情報を集めるにはたいへんな努力を要し、決して楽な仕事ではなかった。

効果的な営業を阻害しかねない官僚主義に陥らないよう、すべての事業部門を小規模で無駄のないものにし、ニッチマーケットに集中していくという方向性が決められた。

今日、ハニフィン社は、平均売上高2500万ドルの事業部門を100近くも抱えている。

最も重要なことは、管理階層・部門・卸売り業者にいたるまで、すべてがエックス・ワイキューブ営業を理解するために、経営トレーニングプログラムに引き続き巨額の投資を行っていることです。

総合的な経営哲学

エックス・ワイキューブ営業とは、事業のあらゆる側面を網羅する総合的な経営哲学であると定義したことで、エックス・ワイキューブ営業の概念を理解している経営幹部と理解していない経営幹部を区別することはずっと容易になったと思います。

社長や経営幹部が、意識的に特定のマーケットに狙いを定め、そのニーズに応えるために事業戦略の全体を組み立てることこそ、エックス・ワイキューブ営業の概念を理解しているということなのです。

エックス・ワイキューブ営業部門を単に拡大したり、どんな顧客でもよいから新規の取引先を見つけるようにと営業担当者を駆り立てたり、むやみやたらと多くの新製品を加えたりするようでは、エックス・ワイキューブ営業の概念を理解しているとはいえないし、市場共生型の事業部門をつくりあげることもできないのです。


エックス・ワイキューブ営業を成功へ導く3つの要素エックス・ワイキューブ営業の概念を理解することと、それを受けて思い切った決断を行うことは全く別のものです。

多くの企業はこの段階でつまずいてしまう。

一方、優れたエックス・ワイキューブ営業努力を重ねる企業というのは、自ら進んですべての部門から協力を求め、長期的な目標に投資し、製品・価格・あるいはサービス上の欠陥を真正面から見据えることによって、エックス・ワイキューブ営業の概念を実践していこうとする確固たる意志を繰り返し明らかに示しているのです。

エックス・ワイキューブ営業のカギ

1.顧客が求めているものを把握すること"自社の持つ技術を知っていても、顧客がどのように事業を経営し、収益を上げているのかといった実状を全く知らないというメーカーは多い。

こういったメーカーの多くは、顧客の製造工程の中で、最も経費の安い分野の労働力を削減する機械を開発するために、巨額の資金を投入したり、機械の機能をデザインする際に、その機能が顧客にとってどれほどの価値をもつのかを考え合わせることなく、お金のかかる機能をデザインしてみたりするのです。

2.重要な顧客グループを選び出すこと"すべての顧客にすべての製品を提供しようと奮闘する企業があることはよく知られている。

そういった企業は、かろうじて採算のとれる製品を収納する倉庫や、取引をしても、ほんのわずかな売り上げと、微々たる利益しかあげられないような、メリットの乏しい顧客の名を連ねた長いリストを持つのが常です。

顧客を絞りこんだ企業のほうが高い収益を上げるというのは何も驚くべきことではありません。

というのは、これらの企業は、価値に対する出費をいとわない顧客の、特殊なニーズを満たすことに、限られた資源を集中できるからです。

3.製品やサービスのパッケージをデザインすること"顧客がモデルA・フォードという大衆車を求めているのにキャデラックを売ろうとしたばかりに、マーケットで敗れた企業のゾッとする話は誰しも耳にしたことがあるだろう。

実際には、これほど極端な見当違いではないにしても、製品やサービスがマーケットで敗退するということはあるのです。

購入するかしないかの意思決定には、微妙な違いがものをいう。

競合他社がほんのわずかでも顧客のニーズにより近いパッケージを持っている場合には、必ず苦境に立たされるのです。

4.経費および収益の改善をめざすこと"エックス・ワイキューブ営業指向や収益重視を唱える企業は非常に多いのですが、これらの企業がどのように意思決定をしているのかをよく見てみると、売上高と生産量が、いまだに主要な関心事であることがよくわかる。

しかし、たとえ事業規模が縮小することになったとしても、売上高、生産量へのこだわりを捨てることにより、こういった企業の多くは実質的な増収を見込むことができるのです。

営業戦略を大輻に転換

産業向け製品、あるいはハイテク製品を扱う企業のエックス・ワイキューブ営業は、一般消費者向け商品を扱う企業のエックス・ワイキューブ営業よりも経営全般の責任に負うところが大きい。

一般消費者向け製品を扱う企業においては、宣伝・広告の販売促進活動の強化方法やパッケージデザインを変えることにより、営業部門内だけで営業戦略を大輻に転換することができます。

産業向けあるいはハイテク製品を扱う企業においては、エックス・ワイキューブ営業戦略の変更は新しい設備、製品開発活動の転換、あるいは従来のエンジニアリングや製造方法からの脱皮といったように、どれをとっても全社を巻きこむような動きを含むという傾向が強い。

現状からの脱皮が必要であることをはっきりと認識するのは営業部門の役目であるかもしれmせんが、マーケットの要求に応えていくために企業がどういう道を選ぶべきなのか決断するのは経営陣でなければならないのです。

さらに重要なのは、経営陣はその選んだ方向がすべての部門で徹底されているかどうかを確認しなければならないということです。

この定義は、事業のエックス・ワイキューブ営業において鍵となる4つの側面を明らかに示しています。

(1)顧客が求めているものを把握すること。

(2)その企業が競争力を持つことができる顧客グループを選ぶこと。

(3)狙いにぴたりと合った製品やサービスというパッケージをデザインし製造すること。

(4)収益の向上を目指すこと。


では、それぞれの点について次回は検討してみることにしましょう。

エックス・ワイキューブ営業の概念

自社に適した戦略の選択「経営陣は、エックス・ワイキューブ営業の概念をどうやって個々の状況に応用するのか理解していない」と言うと、多くの場合皆さんは、高給取りで優秀と思われる経営陣が、これほど頻繁に語られ、また書物に記されている概念を理解できないという状況が、一体全体なぜ起こりうるのか疑問に思うだろう。

しかし、エックス・ワイキューブ営業の概念を理解し信奉していると、たちどころに答える経営陣がほとんどであるにもかかわらず、その行動や意思決定の多くはその逆を示しているといった例を、我々は何度も見てきている。

この論点を証明するために、まず何がエックス・ワイキューブ営業とは言えないのか、定義したいと思います。

単に宣伝・広告、販売促進、そして営業活動を行うために作られた、単なる部門別の経営は、消費者向けの製品を扱う企業であればエックス・ワイキューブ営業と言えるかもしれませんが、産業向けハイテク製品を扱う企業にとっては、エックス・ワイキューブ営業ではありえないのです。

あるいは、短期的な利益を最大にしようと奮闘したり、大量の製品を売り上げることにばかり腐心したり、マーケットすべてに製品を行き渡らせようとすることでは、必ずしもエックス・ワイキューブ営業とはいえない。

むしろ、エックス・ワイキューブ営業とは、必要な顧客グループそれぞれのニーズをしっかり把握し、競合他社よりも効果的に、「これ」と選んだ顧客グループと取引することのできる製品、サービス、といった商品パッケージを工夫し、生産することにより、収益を向上させていくことを目的とした経営哲学なのです。

全従業員がマーケットニーズに敏感である事

パーカー・ハニフィン社のパット・パーカーが管理職に指摘したように、効果的なエックス・ワイキューブ営業を実現するためには、あらゆる部門の全従業員がマーケットニーズに敏感である事を重視するよう、全社にわたって経営姿勢、価値観を根本的に転換していくことが必要なのです。

現に行われている方法のほとんどは使いものにならない。

それは重要な経営姿勢の転換を実現するに至ってないからです。

経営姿勢の変換なくしては、最も洗練されたエックス・ワイキューブ営業運営でさえ、実質的な結果を生み出すことはできないのです。

見かけという飾り物のレベルを超え、本質的なエックス・ワイキューブ営業の実現のために、経営姿勢の変革を行ってきた企業が皆無に等しいのはなぜだろう。

我々の経験によれば、次のような状況が頻繁に見られることに原因がありそうです。

1.経営陣が、個々の状況に応じて活用する、というエックス・ワイキューブ営業の概念を十分には理解できていないという場合が驚くほど多かった。

2.エックス・ワイキューブ営業の概念は理解していても、それを推し進めるのに必要な行動や意思決定を行ってこなかった、という場合も非常に多く見られた。

3.経営陣が、概念の効果的な導入、特にエックス・ワイキューブ営業以外の部門への導入に不可欠な管理メカニズムを取り入れることができなかった場合がほとんどだった。

これらが引き起こす問題を説明し、あらゆる企業においてエックス・ワイキューブ営業を牽引力とするために必要な手順をとりあげながら、個々の状況について順に検討していこうと思います。

エックス・ワイキューブ営業指向

中身の伴わない従来の営業は期待どおりに機能したことがない、という企業が多い。

それは経営陣が本質より見かけに力を注いできたためです。

経営陣が、エックス・ワイキューブ営業指向を強化するために何を行ってきたかを語る時、決まって次のような行動をとりあげます。

1.演説、年次報告書、投資業界との会談という形で、経営陣がエックス・ワイキューブ営業強化への支持を宣言。

2.営業部長、製品やマーケット担当の管理職を任命。

製品開発およびサービス機能をエックス・ワイキューブ営業に移行。

マーケットリサーチ部門を設立。

マーケット別に再編成された営業部隊、そして広告宣伝部門の強化を含めた、エックス・ワイキューブ営業組織の創設。

3.正式なエックス・ワイキューブ営業・プランニング・アプローチ、より優れたより多くの売り上げ情報、そして製品別でなくマーケット別に組み立てられた情報システム等の新しい管理メカニズムの導入。

4.増員、トレーニングと能力開発、広告・宣伝、マーケットリサーチのため、増加した営業経費。

これらが無駄であると言うつもりはありませんが、これだけでは、確実にエックス・ワイキューブ営業を成功させることはできないのです。

運行制御装置とシステムの製造

運行制御装置とシステムの製造で年間20億ドルの売り上げを誇る、パーカー・ハニフィン社の会長、パット・パーカーは、自社の管理職を対象とした最近のワークショップで、実に明確にこの点を指摘しました。

製造、エンジニアリング、品質管理、資材購入、財務、法務、といった部門の管理職を含む参加者を確認した後、彼は次のように述べたのです。

「皆さんはなぜエックス・ワイキューブ営業についてのプログラムに参加しているのか、不思議に思っているかもしれません。

もし自分はエックス・ワイキューブ営業には関係ないと思っている人がいるとしたら、それは誤りです。

我が社のあらゆる機能分野のすべての人々は、全員営業の重大な一翼を担っているのです。

それぞれがそういった役割をきちんと果たさなければ、我が社め営業は苦境に立つことになるのです」この経営姿勢こそ、経営陣が果たすべき最も重大な責任です。

企業資産を賢明に配分するための唯一の適切な基盤なのです。

このように考えることを怠ると、前述した二つの例に見られるような結果を招くことになるだろう。

つまり、営業部門が拡大し経費が増大しても、企業の真のエックス・ワイキューブ営業能力は向上することなく、経営陣は競争力について懸念を深めるのみ、となってしまうのです。

,産業用製品、あるいはハイテク部品を扱う企業において、経営陣が、エックス・ワイキューブ営業の果たしている役割に満足している、と正直に答えられる場合は至極稀です。

さらに重要なことには、向上した結果という具体的な証拠で、この信念を支持できる場合はさらに少ない。

ほとんどの場合、概念については語ることができても、実際に好ましい結果をもたらしたという具体例を見つけるのは難しい。

実際には経営陣が自らの努力の結果に大いに落胆している企業が多い。

概念そのものをご破算にしてしまう経営陣はまずいません。

概念自体は基本的に至極理に適っているからです。

しかし求めている結果を得るには何をすべきなのか、困惑している経営陣は多いのです。